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商工会から転載013_20150706181506354.jpg


■Bio sweet's capocapo 菓歩菓歩
〒629-1131 京都府船井郡京丹波町坂原シヨガキ16番地
TEL.0771-84-0959 FAX.0771-84-2025
http://www.capocapo.com/


 清流・由良川のたもと。緑豊かな高台に立つ、オーガニックスイーツ工房「Bio sweet`s capocapo(菓歩菓歩)」。食を真剣に考える人々のつながりから生まれる美味しいスイーツで注目を集める石橋さんが、菓子作りを通して伝えたい想いとは?
 

 「くつろげる空間と安心・安全なオーガニックスイーツを京都の“田舎”から発信し続けたい――」。

そんな石橋さんの原点は、人の暮らしの根源を学ぶアジア5カ国を巡る旅に出たことだった。特に、自然と調和しながら自給自足で生活する人々の暮らしに触れる中で、「食」の大切さに気がついたという。

 帰国後、結婚、出産を経た石橋さんは、たっての希望となっていた田舎暮らしを叶えるために茅葺の里・美山町へIターンで移住。そこで子育てをきっかけに始めたおやつ作りの楽しさにのめりこみ、同じIターン組の主婦仲間と市内の手作り市でお菓子を売るようになった。旧和知町に移ったのは、それから数年後の2000年のこと。
「道の駅 和(なごみ)」のオープンに伴い、地元産品を店頭販売する店舗募集の広告を見た石橋さんはすぐさま応募。「オーガニックケーキ工房 菓歩菓歩」が誕生した。


 店名には、「一歩一歩、みんなで焦らずにやっていこう」という意味が込められている。その名の通り、着実な歩みを進める中で一つの転機が訪れる。関西一円に広がる約4万人の会員に、安全食を宅配する消費者グループとの取引だ。直営農場や各地のプライベートブランド工場で生産した安全で美味しい食品などを、消費者たちはカタログやwebサイトを通して共同購入する。「生活にもっとも近い主婦が集まり、知恵を出しあって頑張っているところに興味を持ってもらえた」という。

 これまでのお客さんの顔や反応を見ながらの直販とは違う初の試み。商品の魅力を伝え、興味を持ってもらうためにこれぞと思う商品企画があれば積極的に提案した。実は石橋さんはかつて企業で企画の仕事をしており、仲間もものづくりに携わる人が多く、競争が激しいカタログ・web通販の世界で、この“企画・提案力”は強い武器になったという。

 当初は苦労の連続だったが、徐々に売れ筋と売れないものが分かってきた。そして、ついに月間売り上げで1500個を越えるヒット商品が誕生する。現在も、同店の看板商品として人気の「エクレア」だ。有機ココアのビターな味わいと、平飼い卵をたっぷり使ったフレッシュで濃厚なカスタードの風味がたまらない。この定番の商品には、女性心を掴むちょっとした工夫が施されている。手のひらに収まる細めのスティックタイプで、商品開発の会議で「シュークリームを、女性が片手間に食べられる形状にしては?」という女性目線のアイデアが採用された。

 「いろいろ試して、ブームには流されないオーソドックスなものが好まれると分かりました。価格帯はもちろん、季節や素材のマッチングと、あとは少しの工夫が必要」と語るように、ラインナップはシュークリームやパウンドケーキなど、いずれも馴染み深いものばかり。しかし、その中でも形状や季節の素材などできらりと個性が光る。

 「関西や、関東でも嗜好は違う。関西で売れたものは、関東で売れない場合もあったりで、面白いけどなかなか大変です」と笑う石橋さん。この時から、「主婦としての楽しいものづくり」から、「事業」としてやっている意識が芽生えたそうだ。


 カフェのオープンは、生産設備の規模拡大を視野に入れていたころ、商品のファンになった人々が工房を訪ねて来たことをきっかけに着想した。全くの構想外だったが、訪れる人々の多くが“大自然に癒された”と喜び、そのイキイキとした表情に心を動かされた。

 「都心からこられる方のなかには、とても疲れていらっしゃる方もいました。和知の自然に癒され、元気になって帰っていかれる。それもこの田舎だからこそできること。昔から人を癒したり、元気付けたりすることが好きなんですよね」と石橋さん。
 選んだ土地は、由良川がすぐ隣に流れるなだらかな高台。四季折々に移ろう丹波の山々が、あたりの景色を優しく包み込む。しかしそこは、もともと町の所有地。景観への配慮等の諸問題で反対も多く、交渉は難航した。石橋さんらは行政を納得させるための店舗コンセプトの検討・提案を何度も行い、商工会の職員をはじめとする多くの人のバックアップで説得にこぎつけた。今では都心や他府県からのお客さんだけではなく、地元の人々がお洒落をしてくつろぎの時間を楽しみに来る「お出かけスポット」として愛されるまでになったという。
 ちなみに、新工房の移転に際して「オーガニックケーキ工房 菓歩菓歩」は、「bio sweet`s capocapo 菓歩菓歩」に屋号を変えた。Bioとは、オーガニックと同じ意味を持つが、ブームの中、言葉が独り歩きをしていたため本来の意味に立ち返りたかった。本来のオーガニックとは、自分自身の生命や健康、ひいては地球環境を守るために有機食材を選択するライフスタイルまでを含めた広い意味を持つ言葉なのである。


 ごく自然なスタイルで京都の田舎から、安全・安心な食を発信するcapocapo。「地場野菜に関しては、顔の見えるつながりを優先していく」とあるように、地元で収穫された野菜や果物は、自慢のケーキやクッキー、タルトなどに生まれ変わる。「和知の農作物は本当に美味しい。道の駅で、よさそうな食材を見つけては生産者さんとお話をして仕入れている」という。オススメの果物で、新しいメニュー提案をしてくれることもあるそうだ。

 かつて訪れたアジアの国では、地元でとれた食物を地域の人々で消費する地産地消が当たり前のように行われていた。人々は、そんなコンパクトな暮らしの中でとても幸せそうに笑っていた。地元の産物を使うことで地域の農業を守り、共存共栄するというこのネットワークが、この小さな田舎町から広がればと石橋さんは考えている。


 道の駅や、工房での直売、ホームデリバリーでのカタログ販売、ネット通販と多彩な販売チャネルを増やし、カフェの営業までエネルギッシュにこなす石橋さん。トップシーズンには寝る時間もほとんどないほど多忙な日々だという。しかも経営者というだけではなく、一方では家庭を守る母親という顔を持つ。家族・スタッフと共に助け合いながら、なんとか毎日頑張っているという。

 疲れを感じたときには外に出て、日々表情を変える山々の景色を眺め深呼吸をするのが日課。そんな自然のサイクルのなかで、作った人々の顔や想いが伝わる食材と向き合いながら菓子作りに没頭すると、どれだけ忙しくとも「モノではなく、きちんと“食べ物”を作っていると思える」という。それが、和知でなければならない理由だ。

 個々の存在は、全体を見たときは小さなものかもしれない。しかし、石橋さんのように真剣に食に取り組む人たちの輪はやがて大きく広がりを見せるに違いない。食の問題が世間を騒がす昨今。そんな絆こそが、問題解決への糸口なのではないだろうか。






いつも、お世話になっている京都商工会の取材から
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